工房訪問 2009.09.10

  
酒井さんのお仕事場を失礼して、木曽の飯島さんの工房に向いました。飯島さんには、KUKUの花器に合わせている一輪挿しを作っていただいています。
 地図を送って頂いたし、ナビもあるし、分かりにくいとは聞いていたものの大丈夫と思っていたのですが、ナビには表示されず、地図の距離感がこちらが思っているよりも遠く、途中で迷いました… でも、ひたすら上を目指していくと、それらしき建物が。 何とか、たどり着きました!
 後で伺うと、当工房と同じく、標高1000メートルに近いとのことで、幽玄境のような素晴らしい眺めでした。
 

 早速、お仕事場にお邪魔しました。なにやら、見慣れない道具がたくさんありました。 竹工芸の世界は、昔からの道具がほとんどだそうです。


 竹は、地元の木曽、伊那谷、九州産のものを用途によって、真竹と孟宗竹を使い分けていらっしゃるそうです。
 竹は、虫がつかないように、秋口に切ります。切ってからは、油抜き、漂白などをして、青みを抜くことでべたつきを防ぎますが、皮を取り除いて使うときには青みを抜かないこともあるそうです。皮がないほうが汚れも付きにくいそうです。
 籠用には、3年ほど成長したものが適していて、ステッキとか、堅さを必要とするものは、5年ほどのものが良いそうです。筍として、土の中から芽を出しますが、筍の太さでその後は真っ直ぐ上に成長してゆきます。。真竹でも伊那では、直径が10cm程になるものも採れるそうで、驚きました。。
 竹の下のほうは、曲がりが多いのですが、節の高さが低くて盛り上がりが少ないので、籠に使うと、編みやすく、上の方へ行くほど、節と節の間隔は長くなるので、長さを欲しいものには、こちらを使うそうです。 適材適所ですね。


上の写真は、左の道具で、皮をむいているところです。

 
 竹工芸の仕事の大きな流れは、ひご作り→染色→編み→縁の処理→仕上げ加工となります。 中でも、ひご作りは、作品によっては、全体の
50%を占めることもあり、もっとも手間のかかる工程だそうです。 私は、竹工芸=編むというイメージで、編みが大きな比重を占めると思っていたのですが、素材の良し悪しがその後の仕事を決めてゆくのですね。

 
 ひごの作り方を説明していただき、ひご作りのためのいろいろな道具を見せていただくことで、納得。 大変な時間がかかります。ひごは、巾決め機という昔から使われている機械で整えることもありますが、主として、ざるの様に幅の広いひご作りに使用します。バックのように細かい網目の場合は、手で裂いて、面取りをするそうです。


 いろいろな編みのサンプルや作品を見せていただきました。、編み方のデザインを考えるときは、図面を描くのかしらと思ったのですが、伺ってみると、飯島さんは、図面を描くことはほとんどなく、経験と感だそうでうす。奥様は何と、エクセルを駆使してデザインをされるとか。 エクセルは、計算だけではないのですねぇ! 


 ざるなどは、白い竹の仕事が中心だったのですが、最近は草木で染めて落ち着いた色合いにすることで、ちょっとした黒味などもかえって良い味が出るようになり、材料の無駄もなくなったそうです。 これは、木でも同じですね。KUKUは、木そのものの色をなるべく生かすように制作をしていますが、白さを揃えることで、黒味のあるところを省く結果になってしまい、材料のロスが大きくなり、今後の課題となっています。国産材は次第に入手しにくくなり値段も高いので、KUKUでも材料の使い方を検討をしてゆきたいと考えていた所でした。

ご自宅でお茶をご馳走になりながら、楽しいひと時を過させていただきました。いろいろとお話がつきませんでした。
私たちがにぎやかにおしゃべりをしている傍らで気持ちよさそうに眠っているボス猫君でした…