第1回 曲木研究会  2010.06.25

  

今年の信州木工会の研究会が、4月から始まりました。今年のテーマは、「木を曲げる」です。ウィンザーチェアーの背の部分、ハンスウェグナーの椅子の背、日本では曲げわっぱ等に使われている技術ですが、木を曲げて加工するというのは難しいですが、とても魅力的な仕事です。 
 全会通して、私も参加して勉強する予定です。工房では、全員参加で臨みます。
 

 第1回は、「ベンディングアイロンによる曲木」で、4月に行われました。
講師は滋賀県にお住まいの木工家、浜田由一氏です。 浜田さんは、唯一、椅子の巨匠ハンス・ウェグナーに1/5のミニチュア椅子の制作を認められた木工家で、プロを対象とした木工教室も主宰されています。ものすごい技術と知識を努力されて身につけられた方です。 第1,2回の講師を勤めてくださいました。
 

 

 今回の持ち物には、ハンダゴテ、タップ、ヤスリ等々、金属加工に使用する工具がリストアップされていました。 さて、何をどうするのでしょうか?金属の加工と電子回路の制作と、木工家にとっては、日頃なじみのない作業がたくさん待っていました。


 もっとも難航したのが、電気の調光器用のセットを利用した電子回路作りでした。市販のキットをベンディングアイロン用にハンダ付けしてゆきます。回路は1か所でも間違えるとアウト。トライアック、ヒューズ、コンデンサー、抵抗など、学生時代に聞いたような言葉が並びます。
 ポイントは、ハンダづけ2秒。これ以下だときちんと付きません。これ以上ですと、ほかの回路がやられてしまいます。

   


 回路が出来上がると、コードやニクロム線をセットしてゆきます。慣れない作業の連続です。皆さん、真剣そのものです。




 集中力のも途切れそうになる頃、温度調節のできるスイッチをセットして出来上がりです。



 さぁて、スイッチを入れて試運転。工房のベンディングアイロンは、無事開通。 なかなか開通しない人もいましたが、最後には、全員開通して出来上がりました。

   




 15分ほど水に漬けておいた材料を曲げてみます。 「曲がった!!」
感動です…


 このベンディングアイロンでは、中に仕込んだニクロム線を加熱させることによって、アルミのパイプに熱が伝わります。このパイプに濡らした木を押し当てながら、曲げてゆきます。かなりのカーブまで曲がりますが、温度や押し当てる時間の調整がうまくいかないと、焦げてしまいます。





 翌週、さっそくいろいろと試してみました。温度と材料の厚みの関係で、焦げてしまったり、うまく曲がらなかったり…
試作をずいぶん繰り返しました。 何とか、いくつかは形になりましたが、製品化には、まだまだ課題がたくさん。
 次回の講習に期待です。
 
 工房のスタッフも私も研究会の後は、曲木の製品についつい目が行ってしまいます。お店でオーバルボックスなどがあると、ひっくり返して底を覗いたり、しげしげと観察してしまいます。 KUKUの試作品は、なかなかです … と、自画自賛!
 それにしても、「木が曲がる」というのは、不思議です。 次回は、曲木を科学するという講義もあります。曲がるという理屈がわかるとのことです。    → 第2回目に続く