KUKUの展示室が出来ます。  2015.0118


 これまで自宅の客間として使っていた和室を少し広げて、なるべく自然に帰る材料でリフォームをし、KUKUの展示室兼仕事場を作りました。琉球畳を敷いていたので、これを生かしたいと思い、3畳残して小さな和室の空間を併設しました。内装は京都で和紙の制作をしているハタノワタル氏にお願いしました。
 いくつか、イメージして漉いた和紙をおもち下さったので、壁に当ててみて選びました。灯りを付けた時と自然光では、見え方が異なり迷いましたが、部屋全体は、少しトーンを落とした白い珪藻土の壁と天井ですので、これかなという感じのグレー系の和紙に決めました。出来上がると、凛とした空間が出現。
 光やわらかくなり、影が美しいので、自然光でも、灯りを付けても楽しめるとても落ち着いた空間になりました。
 





 建具にも少し明るいトーンのグレーの和紙を貼り、現在建具やさんに枠と金具を付けてもらうのを待っています。 引き手は、かなぐやさんの真鍮製の物を付けます。
 
 部屋の奥にケンドン仕立ての障子を付けました。この障子紙には、凛とした透け感のある素素さんの和紙を貼りました。上部に小さなLEDライトを付けました。
 
 


 展示スペースは和室の出来上がりをみて、相談しながら色を決めましたので、、これから作って送って頂きます。こちらは工房の方で貼ってから、塗装をします。和紙に塗装?とびっくりしたのですが、韓国のオンドルの例もあり、丈夫になります。 スタッフはメモを片手にハタノさんの仕事を見ながら、貼り方のコツを学びました。 和の空間ということで紙の数は奇数で構成。貼り方もクロスとは異なり、日の出のイメージで縁起がいい様に左下から貼っていかれました。ひとつひとつに伝統とこだわりがあることを学びました。
 
 


 完成した和室に谷の新作の四方棚を置き、李朝の白磁の壺を飾りました。そして書家の国分佳代さんにお願した「天衣無縫」という言葉のパネルを掛けました。この4文字の言葉はよく使われますが、「文章や詩歌などが自然な出来栄えで 技巧をこらした跡がなく完璧に美しいことをいう。 また、人柄などが無邪気で素直なさま。(国分さんからの紹介文より)」 という意味があり、作り手として、この様な物を目指したいなという思いがあり、大切にしたい言葉でもあります。

 ハタノさんからは、色々なお話を伺うことができ、工房の一同、とても良い学びの機会となりました。和紙という素敵な素材に身近に出会えたことで、コラボの家具を作る話も進んでいます。これからの色々な可能性を探りながら、新しい作品作りにも挑戦していきたいと気持ちを新たにした年の始めでした。

 
 小さなスペースで、展示室は不定期なオープンとなりますので、ご予約を頂いた上で御覧頂く様になります。KUKUの小物が中心ですが、お付き合いのある作り手の作品もコラボして展示したいと思っています。
 新緑の美しい頃にオープン出来れば…