最近の展覧会から 2006.11.20

 秋は、展覧会がもっとも多く開催される季節です。KUKUも今年の秋はいくつかの展覧会が重なって忙しかったのですが、その合間に見せていただいた展覧会から、いくつか心に残ったものをご紹介します。

深沢和美 ガラス展 9月7日〜15日 銀座 ビー・エイブルにて
 
 武蔵美の大学院でガラスを学んでいる深沢さんの展覧会です。ガラスという素材が大好きで、ガラスの作品展にはよく伺います。初めて彼女の作品に出会ったのは、今年の日本クラフト展でした。
 板ガラスをとても丁寧に研磨したものを張り合わせて形を作っています。一瞬、ひとつのガラスの塊かと思われるものが、実は何枚もの板から構成されていて、光の屈折で見る角度によって不思議な美しい世界が展開されます。丁寧な仕事と形を構成する力に、可能性をたくさん秘めていてこれからの活躍ががとても楽しみな作家さんです。

 深沢 和美:http://www.geocities.jp/kazu3fukasa0/index.html

赤木智子の生活道具店 10月13日〜20日 板橋区 gallery fu do ki  にて
 
 漆工芸家赤木明登さんの奥様がセレクトされた品々の展覧会です。おなじみのものもたくさんあった楽しい展覧会でした。何よりも智子さんの暖かくかわいいお人柄が素晴らしかったです。おいしいお茶を頂きながらほんのひと時おしゃべりをさせていただきました。 加賀棒茶、工房でのティータイムに皆に好評で、すっかりファンになりました。
 「ぬりものとゴハン」の本も、ほのぼのとしてお薦めです。
 
 gallery fu do ki : http://www.fudoki.co.jp/

様様 上田工芸展 色色  11月9日〜14日 上田市 リヴィン上田店にて
 
 上田市合併の記念事業として上田市在住の17人の工芸作家によって開催されました。 東京での木の仕事展を終え、最終日に何とか間に合いました。 
 谷工房で8年間スタッフとして仕事をしてくれた芦田貞晴さんも出品していました。展覧会でまとまった作品を出すのは初めてということでしたが、いろいろと試行錯誤の経験を積み重ね、日々の暮らしの中で培ってきたものを大切にした彼の世界が展開されていました。
 その時に展示してあった「余白から」というパネルから一部を紹介します。
「…とりたてて目を引くことのない、どうってことのない姿のものを作りたいと思う。……毎日身近にあって目にしたり触れたりするものは、少し物足りないくらいの姿のほうが飽きずに長く付き合えるのではないか。想いや記憶を載せるには余白がいるのだから。」
 私自身、仕事や暮らしを通して、最近同じようなことを感じていたのでその言葉が心ににとても響きました。KUKUの仕事では、なかなか難しいことなのですが… 彼の作品のあちこちに余白の世界が現れ始めていました。
 木彫り作家の奥様との初めてのコラボレーションとなる来年の東京での展覧会が楽しみです。

江里 康慧・江里 佐代子 展 ー仏像と截金ー 11月15日〜25日 銀座 和光ホールにて
 截金は、仏像の加飾として木地に1ミリ以下の細さの金箔の線材を膠(にかわ)などで貼って模様を作り上げてゆく技術です。 精魂こめた細かい作業の連続に感動します。
 江里佐代子さんの截金の仕事を知ったのは、20数年前の伝統工芸展でした。テレビで制作の様子も放映され、食い入るように見入っていたことを覚えています。何回か個展を拝見していますが、2002年に人間国宝になられてますます格調高い雅な世界を築いていらっしゃいました。本当に美しい展覧会で、ため息の連続でした。
 銀座和光ホールhttp://www.wako.co.jp/hall/0611/hall2.htm