大切に 暮らしの中で   2009.10.30

  
 先日、とても嬉しいことがありました。
まだ、KUKUが出来るずっと以前に利休 箸を気にいってお使い頂いているお客様から、「お 箸の塗りなおしは出来ますか?」というご依頼を頂きました。 そのお客様は、ご家族皆様で毎日のお食事にお使い下さっていたようです。

 利休が自ら削ってお客様をもてなしたと伝えられている中平両細の利休 箸。まとめてしまっておいても、組み合わせは自由です。 KUKUでは、白木の杉の 箸を丁寧に仕上げて、拭き漆をかけることで長くお使い頂ける様に作っています。


お送りいただいたお箸を見ると、漆が完全になくなって下地の見えているところが随分ありました。先も本来は切り落とした感じで真っ直ぐなのですが、使いこんで丸くなっていました。 さて、どのように仕上げましょうか?
 先端も、少し短くなっても切り落として真っ直ぐにすると、元通りになりますが…
 

 結局、全体をペーパーヤスリを丁寧にかけるだけにして、形まではいじらないように仕上げ直しをしました。ざらつきが取れて滑らかになりましたが、大きな傷や先端の丸さは残しました。先端の丸みも、海岸の岩が削られて丸くなるように、月日をかけて使い込むことで自然に出来た形は、用に添っていると共にとても美しかったのです。
 自然に出来た傷も長い間の家族の歴史を刻んでいるようでした。 成長した子どもたちがつけたかもしれない傷…
そのような思い出を大切にして、またお使いいただけたら… そう、思いました。

 KUKUの製品は、基本的にメンテナンスをさせて頂いています。 木は、傷はつきますが、大切に使えば壊れることなく、長く暮らしをともに出来ます。 木のお皿もそうです。使い込むほどに傷も含めてどんどん良くなってゆきます。


 塗りなおしたお箸をお送りいたしました所、お喜びいただきまして、こちらも作り手冥利につきるなぁと、嬉しかったです。
また、これからも大切にお使いいただけるのですね。 どんな小さなものも、お嫁に出すような気持ちになります。














 安くてデザインの豊富なものがたくさんあふれている社会。値段と寿命が比例するとは限りませんが、何と「とりあえず」作られたものが多いことでしょう。飽きのこない長く使えるものを大切にして暮らしてゆきたいと思います。 

 物もちの良い私は、20代から大切に着ているコートがあります。さすがに少し重さを感じる様にはなり、出番は少なくなりましたが、、シンプルなデザイン、良質な布、丁寧な縫製。飽きることなく、袖を通します。親に買ってもらったものですが、感謝しています…