こころもよう no.2  2010.02.18


 北国の冬 

 

北国信州の冬は厳しいです。初めてこちらで暮らし始めた年は、数十年ぶりの寒波とかで、氷点下20度にも冷え込みました。それに比べますと、今は氷点下10度くらいでも厳しいと感じます。温暖化の影響ですね。小諸の工房は、標高970m。北信と比べると雪は少ないのですが、冷え込みは厳しく、坂の街小諸での運転は要注意です。

 冷え込みの厳しい早朝。空気はピーンと張り、しゃっきとするような心地よい緊張感があります。思わず、深呼吸をします。
 こちらで暮らすようになって、一日中氷点下の「真冬日」という言葉とともに、「放射冷却」という現象も知りました。お天気の良い日の夜は、昼間の熱が逃げて行くのを妨げる雲がないために、地表の温度がとても低くなるのです。お天気の良い日ほど、夜の冷え込みが厳しくなりますので、日中との温度差はかなりのものです。

自然は時々素敵な贈物をしてくれます。「霧氷」もそのひとつです。空気中の水蒸気が冷やされて氷となって樹木につき、陽射しを浴びて、きらきらと光り輝くのです。特に葉の落ちた唐松の霧氷の幽玄な姿は、いつまで眺めても飽きません。冬の朝だけではなく、秋の初めでも標高の高い山頂付近は氷点下となりますので、紅葉とあいまって、本当に幻想的です。


これは自然のいたずらでしょうか?窓ガラスに氷の華が出来ます。空気中の水分が凍りつく、形の面白い霜のようなものといったらいいでしょうか。千鳥や雪の結晶、花など、いろいろな形をみせてくれます。


そして、先日、これまで見たこともないほど大きな「氷結」という現象が起きました。明け方に雨が降り、それとともに急激に温度が下がったため、この雨が凍っていろいろなものをコーティングしてしまったのです。本来なら、この時期、雨ではなく雪になるのですが…
 しなの鉄道は架線が氷結して、電気のショートを起こしたため、終日電車が動かなくなってしまいました。我が家も外は一面の氷結状態。写真を撮ろうと一歩踏み出したとたん、滑りそうになりました。外にあるものは、すべて玄関の石、芝生、草に至るまで、皆凍ってつるつるです。触ると、かちかちに凍っています。氷の彫刻は氷の中に植物などを入れ込んで凍らしますが、塊ではなくその形なりにすっかりコーティングされているのです。
結局、その日は0度前後の気温で、夕方になると雨が雪に変わりました。


厳しくはあっても、自然は時として私たちに思いもかけない美しい姿をみせてくれます。