こころもよう no.13  2012.10月

 KUKUからの椅子についてのご提案 



今回は、KUKU便りの場を借りて、KUKUの新しい試みをご紹介させて頂きます。 KUKUを始めて今年で10年になりました。小物から家具まで作ってきましたが、KUKUで最初に作った家具が定番となったどこでもスツールです。低くて、アーム付きのちょっと不思議な形は、お腹の出ていた私の父が、着替えや靴をはく時に安定が悪く、ふらふらしているのを見て、思いつきました。 低い位置ですと足元にすっと手が届き、靴紐をしっかりと結べます。ただ、低いので立ちあがりが不自由ですので、しっかりとしたアームを付けました。

 
また、体格の良い方でも楽なように座の幅は広めにとりました。座は、布張りタイプも籐編みタイプも緩いカーブを付けてありますので、身体にしっくりとなじみます。
スタッフと何度もミーティングや試作を重ねて、現在の形が出来上がりました。 腰を痛めた方からのご注文では、どこでもスツールなら座ることができ、とても重宝していますというお知らせを頂きました。また先日は、代品としてしばらくこのスツールをお使い頂きましたところ、とても気に入って下さり、ご注文を頂きました。お役に立てて、うれしく思います。

 

   



もうひとつの定番はりらっくすチェアーです。これはゆったりと本を読んだり、お茶を頂いたりするパーソナルチェアーです。1年程かけて試行錯誤の末に出来上がりました。小柄でそろそろ筋肉が衰え始めた私の体型をモデルにしました。背のアールや当たり具合、低い座など、私が心地良いと思う点を参考にしました。(若い男性スタッフの背中はまっすぐですので、シニア世代の女性とは異なります。)身長の違いに対応するため、座の奥行きとアームの高さをイージーオーダーという形でお身体に合わせられるようにしてあります。 座の奥行きはとても大切で、座の縁が膝の裏に長時間当たっていると血行が悪くなり疲れます。少し空間ができるくらいがちょうど良いようです。  



 アームは、高いと肩が上がり、凝ってきます。低いとその位置に身体を合わせようと、姿勢が崩れます。 とても大切なポイントです。サンプルの椅子のアームの高さを決める時、手の短い私に合わせると一般的には低いのではないかと思い、ほんの少し高めにしました。これまでご注文頂いた中で男性や身長の高い方はそのままでちょうど良く、やや小柄な方には、低めのアームが良かった様です。

これまでの注文制作を経て、現在はアームの前方の高さはそのままで後ろの方だけ、少し下げたタイプも作り、2台を比べて座って頂いています。新タイプですと私も肩が凝りません。アームの前の高さをそのまま残したのは、立ちあがるときにアームが高い方が楽だからです。若い身体には何ともないことですが、年を重ねて来ると微妙なサイズが日常の動作に影響をして来ます。 あまり格好の良い椅子ではありませんが、若くない身体には楽で、幸いなことにたくさんの方々のご注文を頂いて現在に至っています。


 このリラックスチェアーは、ゆったり腰掛けて頂くために座の後ろが少し低く傾斜していますので、お食事には向いていません。食事をする時には背がまっすぐと伸びないとお箸を口に持っていいきにくいですし、消化にもよくありません。以前この椅子で食事もしたいという高齢のお客様からの強いご希望がございました。



 そこで食事のときだけ背中にクッションを当てて身体を起こせるように座と同じ布で背もたれ用のクッションを作り、合わせて低めのテーブルもお作りしたことがございました。とても喜んで頂くことができ、こちらも色々と工夫をした甲斐がございました。





 家具のなかでも椅子は最も難しいものです。身体が直接触れ、触れた感触が心地よさに大きく影響するからです。ほんの少し座ってみただけではご自分の身体にあっているかどうか分かりません。また、KUKUの椅子はシニア世代向けですが、遠方や高齢でお店を回ってご自分で探せなかったり、展覧会にお出かけ頂けない方もいらっしゃいます。
 
 そこで、どこでもスツールとりらっくすチェアーをお試し頂けるように考えてみました。期間は1週間。料金はスツールは往復の宅急便代金。チェアーは往復の家財宅急便代金です。じっくりお座り頂いて、お気に召して頂きましたら、こうして欲しいというご希望になるべく沿うものをご注文でお作りできればと考えております。 詳細は、11月の木の家具展でご覧頂ければと思います。または、どうぞお問い合わせを頂ければ、資料をお送りいたします。

 たくさんの方々との出会いがあって、KUKUの仕事を続けてこられました。今後は、新しいものを作るのは若い方たちにお任せして、これまでの定番品をより心地よく使って頂ける工夫をして、少しでも楽しい暮らしのためのお手伝いをして行ければと思っております。今後ともよろしくお願いいたします!